コードは機能と構造(構成音)に分けて攻略

ソロウクレレを自分でアレンジしようとした場合、コードに対する知識は必須になります。

この中で、コードの勉強をしてみようとして、何から手を付けてよいのかわからず途方に暮れているという方や、ちょっと手を付けてみたもののチンプンカンプンで投げ出してしまったという方も多いのではないかと思います。

これは、コードに必要な知識として、

  • その曲(正確にはその調)の中での役割である『機能』の側面
  • コード自体がどのように成り立っているかという『構造(構成音)』の側面

の2つが有って、複雑に絡み合っている部分に原因があると思います。

このサイトでは、いずれ両面に対する細かな解説も書いていこうと思うのですが、今回の記事では、まず『コードの機能』・『コードの構造(構成音)』というのがどういうものなのか、大きなイメージを解説したいと思います。

コードの機能

コードの機能というのは、そのコード(例えば『C』)が、その調(例えばCキー)の中でどのような役割を果たすかというものです。

我々の耳にする音楽の90%位は、平均律・調性・機能和声を前提とする『近代西洋音楽』をベースにしていて、もはや我々の耳もそれに慣れています。

この種の音楽の中では、あるコードが、

  • その調の主音から何度の位置にあり(普通、Ⅰ・Ⅳ・Ⅴというように、ローマ数字で表します)
  • どのような構造をもっている(3度の音がメジャーかマイナーか・7度の音がメジャーかマイナーか等)←先ほどの後者の話ですね

かによって、そのコードが特定の役割を担うようになってきます。

例えば、その調の主音をルートにするⅠのコード(キーCならC)は強力な安定感のある『帰るべき我が家』な色彩を持ってます。

これに対し、主音から4度の音をルートにするⅣのコード(キーCならF)は、『お馴染みのお店でウキウキ』な色彩を持っています

そして、主音から5度の音をルートにするⅤ7のコード(キーCならG7)『離婚危機勃発か?!』的なものすごい不安感を醸し出し、ここからⅠのコードに戻ると大いなる安心感を感じます。

これは実際に、C-F-C-G7-C(キーCのⅠ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ7-Ⅰ)とウクレレを弾いてみて頂ければ、体感いただけると思います。

そして、結構重要なことなんですが、上記とは全く別のコードの流れであるG-C-G-D7-Gを弾いていただいても、先ほどと同じ雰囲気が感じられるという事です。これは、このコードの流れが、キーGのⅠ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ7-Ⅰに当たるからです。

乱暴なことを言いますと、近代西洋音楽では、具体の個々のコード(CとかFとか)よりも、調の主音との関係性(ⅠとかⅣとか)の方が重要だったりして、この性質があるから、カラオケでキーを変えたりウクレレで移調して弾いても、そんなに違和感を感じない訳です。

この構造が分かっていると、既存の譜面のコードをローマ数字表記に変換(もしくは全部キーCに変換)して分析していくと、その曲・そのアレンジの構造が見えるようになってきます。

コードの構造(構成音)とコード表記のルール

コードの構造(構成音)というのは、コードの主音(ルート)に対して、どういう音が積まれているのか、という事です。

西洋音楽では、基本的に3度ずつ音を積んでいくのが基本です(2度だと音がぶつかるし、4度だと間抜けな感じになるので)。

で、もともとは音を3つ(Ⅴだけは4つ)積むのが基本でしたが、ポップス等ではどんなコードでも4つ積むのが基本になり、ジャズ等では更に上の音も取り入れる(テンションといいます)ようになりました。

勿論コードの構成音は、五線譜で書けるわけですが、それではパッと見て分かりにくいですし、実際のアレンジでは転回(ドミソをミソドにする等)・省略(ドミソのドミしか弾かない等)もあるので、譜面を読む人に意図が伝わりにくいです。

そこで考え出されたのが、我々が歌本等でよく見るC△7みたいなコード表記法です。

ですのでコードの構成音を理解するには、コード表記のルールを理解し、これをウクレレの指板上の配置と結合することが手っ取り早い方法になります。

これも奥が深い話ですし、一気に攻略は無理なので、今回の所はウクレレの指板上の配置はいったん置いておいて、取り合えずコード表記ルールの大きなところをざっくりとみていきたいと思います。

コード表記のルール

コード表記は下図のように5つのパートに分かれています。

で、それを付加しなければ書かない・当たり前のものは省略可というルールが有ります。

あと、細かいことですが、bとdの部分が無ければ、各々cとeが左に寄ります。

aの所には、そのコードのルートが来ます。ルートが無いとコードが成り立たないので、ここは必須になります(ここは大文字で、C・F・A等が入ります)。

bの所には、(基本的に)3度の音を表示します。3度が長3度なら記載を省略し、短3度なら「m」を付けます(各々C・Cmという風になります)。

3度の音は、コードの性格を決めますので、非常に重要な部分です。

ここの例外としては、

  • 3度を4度に上げるコード(sus4)の場合はsus4と書く(Csus4)
  • 短3度を積み上げるディミニッシュコードの場合は、ここにdimと書く(Cdim)ことで、5度の所(もうちょっと先で話の出るdの所)の記載は省略する
  • 長3度を積み上げるオーギュメントコードの場合は、ここにaugと書く(Caug)ことで、5度の所(もうちょっと先で話の出るdの所)の記載は省略する

というのが有ります。

cの所には、(基本的に)7度の音を表示します。7度が長7度(メジャー7th)なら「M7」もしくは「△7」、短7度(マイナー7th)なら単なる「7」を付けます(各々CM7かC△7・C7という風になります)。

最初のうちは、メジャー7thがストレートな「7」表記で、マイナー7thは「m7」という方がしっくりくるかもしれませんが、

  • そもそも7thはⅤ7のみで使われてて、Ⅴ7の際の7度音程がマイナー7thであること
  • メジャー7thの際に「7」・マイナー7thの際に「m7」表記にすると、マイナーコードにマイナー7thを付けると、例えばCmm7とかになってウザい

ので、マイナー7thを「7」表記とするになったのでしょう。

ここの例外として、7度の音を入れないで6度の音を入れたい場合は、ここに6を入れます(C6)。

dの所には、5度の音を表示します。完全5度の場合は省略可能で、減5度の場合は「b5」・増5度の場合は「#5」と表記します。

但し、減5度が出てくるのはディミニッシュもしくはハーフ・ディミニッシュとも呼ばれるマイナー7thフラットファイブ、増5度が出てくるのはオーギュメント位で、

  • ディミニッシュは、3度の所で「dim」表記(ex,Cdim)をして5度の欄を省略し、
  • マイナー7thフラットファイブは、3度の所で「φ」表記(ex,Cφ)をして5度・7度の欄を省略する場合もあり、
  • オーギュメントは、3度の所で「aug」表記(ex,Caug)をして5度の欄を省略する

ことから、あんまり活用されない欄だったりもします。

eの所には、テンション(9th・11th・13th)を表示するのですが…取り合えず「そうよね」程度思っておいて頂ければ良いでしょう。

この記事のまとめ

この記事では、

  • コード理論には、『機能』・『構成』の2面が有ること。
  • 機能とは、その調に対して何度の位置にあり、どんな構成(音の積み方)をしているかで、役割が決まってくるということ
  • 機能については、主音をⅠとして、Ⅳ・Ⅴ7・Ⅵm7等のようにローマ数字に変換して考えていくのが一般的であること
  • 構成については、コード表記法をマスターし、ウクレレの指板上の配置と結合するのが手っ取り早いこと
  • コード表記は、5パート(ルートを表す部分・3度を表す部分・7度を表す部分・5度を表す部分・テンションを表す部分)に分かれていること

を解説させていただきました。

なかなかややこしい部分だったりしますので、都度ご参照いただければと思います。

おまけ:楽しいウクレレ動画

何処の何方かは存じ上げないんですが、ウクレレでレゲエを演奏する(おそらく)ストリートミュージシャンの動画です。

「こういう手が有ったか!」という感じの、リズムの入れ方にやられました(笑)。

チャレンジしてみようと思われる方は、是非!!

 

⇒ 当サイト内、ウクレレコーナー(ウクレレ秘密倶楽部)の目次へ

 

コメントを残す