前回に引き続き、コードの転回形の2回目として、メジャートライアドの第2転回形(5-1-3)についてまとめてみたいと思います。
正直、前回までの応用でほぼ大丈夫なんですが、基本的なフォームの確認の他、指板全域を使えるイメージ・開放弦を含むコードの考え方等にも触れていきたいと思います。
この記事は、以下の過去記事を前提にしますので、これらを未読の方は、まずはこちらからお願いします。
ウクレレでのメジャートライアドの第2転回形を作る
まずはフォームを見ていきます。前回同様、3弦スタート・4弦スタートの順に見ていきたいと思います。
3弦スタートの第2転回形
(1)3-5-1の拡張で考える
先ずは、3弦スタートですが、1つの考え方として、前回やった4弦スタートの第1転回形(3-5-1)を基に、1弦で3度の音を取るという考え方が有ります。
前回3弦スタートの第1転回形(3-5-1)を作った際は、4弦スタートの基本形をベースに1弦で5度を取りましたが、その応用ですね。
これらを合わせると、もし弦がもっとたくさんあったら、下図のようにトライアドが展開していくんだな~っていうイメージを感じて頂けるかと思います。
ウクレレは弦が4本ですし、現実の指板(レギュラーチューニング)に戻す際に補正は必要ですが、このようなイメージがあると、転回形がより『腹に落とし込める』と思います。
(2)ルートの位置から考える
上記も転回形の理解の上で有用な考え方ですが、コードをパッと取るには、ルート音の位置をベースに考える方が実践的です。
(1)とほぼ同じ図ですが、図を見ながら考えますと…
- まず、2弦がルート音と認識して
- 3弦は5度なので左隣(前回の5度と1度の関係です)
- 1弦は3度なので右斜め上(これで完全4度のフォーム完成)
- あとは、レギュラーチューニングに合わせて補正(この場合、普通だと1フレット下げる2弦スタートで考えるので、3弦を1フレット分上げるイメージになります)
で完成します。
4弦スタートの第2転回形
こちらは、上記の(2)の発想になりますね。楽勝だとは思いますが、一応図の方を挙げておきます。
転回形をマスターすると…
ここまでの内容で、メジャートライアド・コードについて、
- 1-3-5の基本形(下図の赤△)×2(4弦スタートと3弦スタート)
- 3-5-1の第1転回系(下図の緑△)×2(〃)
- 5-1-3の第2転回系(下図の青□)×2(〃)
の6通りで押さえられるようになりました。
これによって、まずウクレレソロをアレンジする際に、メロディーの近くの和音が圧倒的に取りやすくなります。
また、伴奏等をする際にも、Aメロはローコード・サビではハイポジション等、音高でバリエーションを付けることもやりやすくなりますし、2人で弾くときなどに『全く同じ内容を弾く』という寂しい事態を避けられます。
要するに、あなたのウクレレ・レベルは大幅にグレードアップしたという事になります。
開放弦を含むコードについて
(1)周辺の音との関係
今までの回では、周辺の音も見る中で、開放弦を含む『コードブックのコード』と、『この考え方で取る3音のコード』との関係性を見てきました。
今回は、前回のでほぼ出尽くしていて、唯一4弦スタートの第2転回形(12フレットの青□)の3音に、1弦で5度を足したものについて、2フレットスタート(1弦開放)にすると、コードブックのDのコードになります。
(2)あれ?あのCは??
ここまでで、Cコードについて色々な角度で見てきたわけですが…あのお馴染みのCコードが出てきませんでした。
実は、4弦スタートの第2転回形(12フレットの青□)を開放弦で取って、1弦で3フレットで1度を押さえると出来上がるのですが、今まで考えてきた方法論では、ちょっと思いつきにくかったりします。
このほかにも、既存のソロウクレレの楽譜などを弾いていると、ハイフレットと開放弦を組み合わせたスペシャルなコードなども出てきますが、こういうのも今まで考えてきた方法論では思いつきにくいです。
このように、一部の開放弦を含んだコードについては、
- 既存のソロ曲楽譜を弾く中で、「おっ!」っと思うコードを押さえていく
- 自分でソロアレンジする際に、開放弦を使えないか考えてみる
ということで補っていかざるを得ません。
とはいうものの、漠然とコードの形を覚えていただけの以前の状態と、コードの何度の音かを分かって押さえている今とでは、発想自体が全然変わってきます(スペシャルな「自分コード」も作れる可能性が出てきます)。
ですので、まずは、今までの考え方でパッとコードを取れるような練習を行う事を優先して頂ければと思います。
この記事のまとめ
この記事では、
- 第2転回形の取り方をマスターすることで、メジャートライアドを完全攻略するとともに、
- 転回形をマスターして、指板を広域的に使えるようになるイメージを示し、
- 開放弦を使った一部のコードへの対応は後回しにする(笑)
という事を解説させていただきました。
同じ発想で、マイナートライアド・セブンスコードまで作れるようになれば、簡単なウクレレソロ・アレンジは始められる状態になります。
もう少しですので、お互い(笑)頑張っていきましょう!
おまけ:楽しいウクレレ動画
海外のウクレレ本とかを探していたら、「ウクレレでバロック音楽」とか「ウクレレでフラメンコ」みたいな楽譜を見かけました。
そういう動画も有るかな~って検索すると、しっかりありましたね。
この方、大学で音楽を教えたり、音源をリリースしたりもしている人のようですが、古典音楽が好きなようで、ウクレレの他・多弦ギター・リュートなどを使用して、大量の演奏をYouTubeにアップしています。
演奏を聴くと、ウクレレが「ヨーロッパの古楽器」みたいに響いていて、これはこれでまた新しい世界だなぁ…って思いました。
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