今回からは、いよいよ実践的な内容になりまして、まずは基本中の基本であるメジャートライアドの基本形を、コードブックのフォームとして覚えるのではなく、自分で作れるようにしていこうという内容になります。
以降の記述は、過去記事:ウクレレの『指板上の音の並び』の構造を理解するを前提としていますので、未読の方は、まずはこちらをご参照ください。
ウクレレでのメジャートライアドの基本形
まずは仮想指板(完全四度チューニング)で基本を理解
まずは、仮想指板(全ての弦を完全四度でチューニングした指板)でCメジャートライアドの基本形(Ⅰ-3-5と順次積んでいく形)を見てみますと、以下の通りになります。
- ルートの斜め上に3度
- 3度の2個斜め上に5度
という形です。まずはこの関係性をしっかり理解し覚えてしまいましょう。
現実の指板(レギュラーチューニング)にコンバート
これを現実のウクレレの指板(レギュラーチューニング)にコンバートすると、以下の通りになります。
1弦・2弦の指板がズルっと1フレット分下がることで形が変わりますが、『丸覚え』より全然ましで、理屈が分かればルートの位置さえ分かればコードは自分で作れるという事が分かって頂けると思います。
因みに、完全四度⇒レギュラーのコンバートは、最初は「よっこいしょ!」と考えないといけませんが、慣れてくればパッと取れるようになります。
Cだけでなく、G・Eなど、他のコードもご自身で作ってみて頂ければ、更に理解が深まりますので是非!
4弦からスタートするパターンは、ハイGチューニングのウクレレで弾くと、実音では3-5-1の第一転回型の音になります。
これはまあ…ウクレレのゆるさ(かつ面白さ)として許してあげてください。
もうちょっと深めると…
以上の内容をもう少し深めるために周辺の音も見てみましょう。
◆4弦スタートのパターン
4弦からスタートするパターンは、2弦(5度の音)の右隣(1弦)にルートが有ります。
ここまで一緒に弾く前提で、4弦2フレット(Aの音)から始めますと…コードブックでAのコードとして乗っかっている形になります。
尚、このパターンで、4・3・2弦を弾いても、3・2・1弦を弾いても、同じ音になる所がハイGチューニングのウクレレの面白いところです。
◆3弦スタートのパターン
3弦からスタートするパターンは、3弦(ルート)の左隣(4弦)に5度が有ります。
ここまで一緒に弾く前提で、3弦2フレット(Dの音)から始めますと…コードブックでDのコードとして乗っかっている形になります。
因みに、このコードブックのDの形、5度の音が重複している訳ですが、5度の音は極論無くても成立する音(5度の音を省略しても、ルートの倍音として5度が聞こえる)なのでちょっとバランス悪いです。
4・3・2弦もしくは3・2・1弦だけ(これもどちらも同じ音になります)を弾く方がむしろすっきりする感じですね(こういう事も分かるのが、コードの構成音も分かっておくことの旨味です)。
◆2弦スタート
2弦スタートだと、弦が足らないのでトライアドコードが作れません…が、先ほども書きました通り5度の音は極論無くても成立するので、この2音でもトライアドコードが感じられます。
こういう事も知っていると、アレンジやアドリブの幅が広がります。
この記事のまとめ
この記事では、メジャートライアドコードの基本形の作り方をまとめました。
完全四度の仮想指板で基本を押さえる⇒実際の指板にコンバートという発想で、コードフォームの丸覚えから脱却できるイメージを持っていただけたのではないでしょうか?
また、このような発想でコードの構成音(1・3・5)がどこにあるのかを把握しておくことで、省略できる音・出来ない音が分かったり、アレンジの幅も広がるという事も体感いただけると嬉しいなと。
是非是非、Cだけではなく他のコードもご自身で作ってみて、遊んでいただければと思います。
⇒実践編2:さらに進んでマイナートライアドの基本形を理解&攻略
おまけ:楽しいウクレレ動画
今回ご紹介するのは、Reneé Dominique(レネー・ドミニク)というフィリピンはマニラのシンガーです。
ウクレレやアコギでの弾き語りをたくさんYouTubeにアップしててるんですが、癒し系の声質が特にウクレレとよく合うなぁって思ってしまうのは、私がウクレレ好きだからでしょうか?
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