ウクレレソロを自分で作ろうとした場合、メロディーの音(たいていはトップに来ますね)付近で、そこに当てたいコードをパッと押さえられる必要が有ります。
それだけなら、頑張って頑張ってコードブックのコードを覚えれば良さそうですが、それではメロディがそのフォームの上に来ないときにどうしたらいいか分からなくなります。
この辺りを解決しようとすると、『そのメロディーの辺りに、そのコードの音がどう並んでいるか』が分かっておく必要が有ります。
そのためには、ウクレレの指板上の音を覚えた(方法は過去記事参照)上で、
- ウクレレの『指板上の音の並び』の構造を理解して、
- メジャー・マイナーのトライアド・コード(3和音)とその転回型を、「どこの音が何度の音か」を理解しつつパッと押さえられるようになる
ことが実は手っ取り早いです。
後者については順次やっていこうと思いますが、今回は前者について書いていきたいと思います。
まずは指板上の音を素直に眺めてみる
何はともあれ、まずはCコードを前提として、
- 指板上にその構成音がどのように並んでいるか?
- そこに法則性が無いか?
を素直に見てみましょう。
4弦と3弦・2弦と1弦の間では、
- ルート(1度)の斜め上に3度がある(上の図の赤丸参照)
- ルート(1度)の2つ斜め下に5度がある(上の図の→参照)
- 3度の2つ斜め上に5度がある(上の図の緑丸参照)
- 5度の横にルートがある(上の図の青丸参照)
という構造がきれいに成立しています。
しかし、3弦と2弦の間では、これが成立していません。
この理由はG-C-E-Aというウクレレのチューニングに由来していて、
- 4弦⇒3弦・2弦⇒1弦が完全4度音程なのに対し、
- 3弦⇒2弦が長3度音程になっている
ことに起因します。
この関係性はギターの4弦~1弦でも同様なのですが、開放弦を使いやすく・コードが押さえやすくなっている反面、音程の関係を複雑化しています。
仮想の指板を置いてみると…
そこで、音程の関係性を単純化するために、3弦⇒2弦も完全4度音程にした仮想の指板(2弦・1弦を共に半音上げたウクレレの指板)を想定してみます。
1弦・2弦を半音上げることで、例えば2弦2フレットを押さえたときの音は、普通のチューニングのウクレレの2弦3フレットを押さえたときの音になるので、Cコードのコードトーンは下図のように並びます。
この仮想指板の上では、(当たり前ですが)先ほどの関係性が4弦と3弦・2弦と1弦だけでなく、3弦・2弦の間でも成り立っていることが確認できると思います。
さらに言えば、1-3-5・3-5-1・5-1-3等の音の並びもどこでも同じ形になりますから、随分シンプルになります。
ですので、まずはこの仮想指板上で音の並びを理解すると、頭がすっきりすると思います。
現実の指板との整合は?
ただ、現実のウクレレの指板上の音はそうなっていない訳で、これを整合させる必要があります。
それにあたっては、仮想指板の2弦・1弦の部分(青い網掛け部分)をグイッと1フレット分下にずらすというイメージを持っていただければと思います(下図を見て頂ければ、イメージが持ちやすいと思います)。
例えば、弦3本で下から1-3-5と取るときは、仮想指板だと、ルートの斜め上に3度・3度の斜め2個上に5度が来る。
これを現実の指板で3弦から取る場合は、2弦・1弦が下にズレてくるので、ルートの隣に3度が来るようになり、5度の音は依然と変わらず3度の2個上にある、という具合になります。
※上図の12フレット辺りを見ながら読んでいただけると、イメージしやすいと思います。
このように、①まずは仮想指板での関係性を押さえて、②現実のチューニングに合わせて補正(1・2弦の半音スライドさせる)するという方法論を取れば、頭の負担がかなり軽減されると思います。
この記事のまとめ
この記事では、ウクレレの『指板上の音の並び』の構造を理解するために、
- まずは、すべての弦の調弦が完全四度になっている仮想指板で原則となる音の関係性を把握し、
- それを現実の指板に合わせて補正する(2弦・1弦の指板をグイッと1フレット分下にずらす)
という方法論を紹介させていただきました。
この記事だけではイメージを持ちにくい方もいらっしゃるかと思うのですが、今後、この発想を踏まえてコードを掴んでいく方法論を記事にしていきますので、併せて読んでいただけると定着してくると思います。
もしウクレレを2本お持ちの方は、1本を仮想指板と同じチューニング(1弦・2弦半音上げ、さらに徹底するならローG)にしていただいて色々実験して頂くと、この考え方のメリットをより実感頂けるはずですので、是非!
⇒実践編:この発想を使って、メジャートライアドの基本形を理解&攻略
おまけ:楽しいウクレレ動画
ハワイ出身で、何度か日本で来日公演を行ったこともある(らしい)カレイ・ガミアオ氏の演奏です。
ファンキーなタンゴってどんなんだろう?って思って聴いたんですが、確かにファンキーなタンゴかなと(笑)。
日本ではこんな感じの曲をウクレレでやる人は少ない気がしますね~。
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